オーディオ・エフェクト:サウンドを形作るための初心者向けガイド

オーディオ・エフェクト:サウンドを形作るための初心者向けガイド

必要な知識を得てエフェクト・ラックを作りましょう

 

  1. パンニング
  2. ディレイとエコー
  3. リバーブ
  4. コーラス
  5. ディストーション
  6. EQ
  7. コンプ
  8. トレモロ
  9. フランジャーとフェイザー
  10. フィルター

作曲家は、音程やメロディー・コード進行を駆使して曲を書きます。音楽プロデューサーにとっての工具箱は、それとは違う種類のツール=オーディオ・エフェクトなのです。

もちろん、プロデューサーであるなら音楽理論を知る必要があります。けれども、プロデューサーがミキシングに取りかかる時は、オーディオ・エフェクトが必須になります。

プロデューサーがサウンドを形作って音楽にしていくには、オーディオ・エフェクトがその核となります。オーディオ・エフェクトは「まあまあ」なミックスを、パワフルな完成されたトラックへと変えていくのです。

かけるエフェクトがアナログであろうがデジタルであろうが、全てのプロデューサーは自分が使っている道具の裏側まで知り尽くすべきです。

昨今の課題は、その選択肢が、DAWのプラグイン・ストンプエフェクト・ペダル・マルチエフェクターなどあまりにも多いことです。

自分が完成させたいものにふさわしいオーディオエフェクトを選ぶことが重要なのです。

この選択肢の海の中で溺れることを避けるにはどうしたらよいでしょうか?それぞれのオーディオエフェクトのコアとなる概念を知れば、正しい決定をする備えができることでしょう。
<h2オーディオ・エフェクトとは?

オーディオ・エフェクトとは、オーディオ信号を操るハードウェアもしくはソフトウェアの装置です。その効果は、速さ(Rate)やフィードバック/ドライブといったパラメーターを通して制御することができます。オーディオ・エフェクトは、ライブ演奏や、レコーディング中にスタジオで使うツールとして役立つでしょう。

この記事が取り上げるのは核となるエフェクト達です。

  • モジュレーション・エフェクトーコーラス/トレモロ/フランジャー/フェイザー
  • 時間をベースにしたエフェクトーリバーブ/ディレイ/エコー
  • スペクトル・エフェクトーEQやパンニング
  • ダイナミクス・エフェクトーコンプレッサーやディストーション
  • フィルター

この記事を最後まで読めば、オーディオエフェクトとは何か、またその作用や使用法を知ることが出来るでしょう。始めるにあたり、私たちはオススメの有料・無料プラグインやペダルを山ほど集めました。

このリストが完璧なものという意味ではなく、まだまだ増えていくでしょう。それでは基礎編から始めましょう!

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Panning

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パンニングとは?

パンニングとは、ステレオ(やマルチチャンネル)の音像で音声信号を配置する場所です。

パンニングはどのように作用するか?

人間は2つの耳を持っています。私たちの脳は左右の耳でのタイミングの違いを処理します。これは私たちが生存していくために、3次元空間のどこに音が定位しているか聞き分けるための技能です。

ステレオのサウンドシステムは、1つだけだったスピーカーを、左右の2つに増やしました。これにより、再生するサウンドがモノラルからステレオに移行できたのです。

パンニングは、それぞれのスピーカーに大なり小なりの信号を送ることで、様々な空間エフェクトを作り出します。

パンニングはどう聞こえるか?

何かの音が片方に「激しくパンニング」されていると、サウンドはその側だけから聞こえてきます。

中心にパンされていると、スピーカーの間にあるファンタム・センターから聞こえてくるでしょう(センターにスピーカーが無くてもセンターから聞こえてくるのです)。

音を鳴らし、パン・ノブを動かしてみましょう。もし片側から反対側へゆっくり回したなら、そのサウンドがステレオ・フィールドの片側からその反対側へ移りゆくのが聞き取れるでしょう。これは、車が通過する効果音で多用されているトリックの一例です。

パンニングの一般的な使用法

パンニングは、サウンドをステレオの音像の中の特定の位置に、人工的に定位させる良い方法です。これは、自分のミックスが濁った音でマスキングされるのを防いでくれます(2つの音がお互いを覆い尽くすような時に使えます)。

オート・パン・エフェクトを使うことで、サウンドをステレオの中を横切るようにスウィープさせ、左右に動いているような感覚が産まれます。

自分でミックスすると、大抵センターが騒がしくなります。これは一般的にミックスの土台となる、低い周波数の要素(ベースラインやドラム)やリードとなる要素(ボーカルなど)がセンターにパンされるためです。

他の楽器は左右のどこかに定位されます。重要なことは、楽器を微妙に右に定位させたら近い周波数をもった楽器を同様に左に定位させるように、バランスを保つことです。

激しいパンニングは、クリエイティブな
選択でないかぎり一般的には避けられます。しかしルールとは破られるためにありますよね?

より広がりのあるミックスにするためには、パンニングの使い方を読みましょう。

パンニングするプラグインとペダル

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Delay Echo

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エコーやディレイとは?

ディレイとは、音声信号を録音して、原音の後に続いて周期的な長さで再生するオーディオ・エフェクトです。ディレイは様々な方法で音を再生することで、エコーのように時間をかけて音を減衰させたり、ダブリングを繰り返す効果を発することで、録音したものに新しいレイヤーを加えたりして、サウンドを作り上げていきます。

ディレイは最も重要なエフェクトの一つです。実際にコーラスやリバーブといったほかのエフェクトの基礎にもなっています。けれども、現在のディレイの定義はエコー・エフェクトを発するものとして定義されていることがより普通になっています。

ディレイはどのように作用するか?

多くのディレイは、原音を再生し、そのすぐあとにエフェクト音もしくは”少し遅れた”信号を再生することで作用します。

初期のテープディレイは、録音ヘッドと再生ヘッドを数インチ離れて搭載(タップと呼ばれ複数になる時もあります)していました。その結果、再生の直後に信号を録音することを繰り返すエコーになります。マルチタップとテープのセッティングができるディレイ機器は、高い次元でのコントロールが可能で、間隔の異なる複数のエコーをアーティストに与えてくれます。

より最近の半導体を使ったデジタルエフェクトでは、古いディレイ機器の再生ヘッドのエフェクトを模すために、録音バッファーを使います。入力された信号は一旦メモリーに保管され、エコーを制御するエフェクトのパラメーターに従って再生されます。

ディレイとはどのようなサウンドか?

ディレイの使い方は実に様々です。しかし、覚えておきたい主要な使い方は2ー3種類です。

おそらくディレイの最も特徴的な使い方は、50年代のロックのレコードで、サム・フィリップスとエルビスのようなサン・レコードのアーティストたちに使われたスラップバック(Slapback)という効果です。

スラップバック・ディレイは、原音から70ー120ms遅れてエフェクト音を再生することで発せられます。その結果、減衰が早く、短くかすかなディレイ音になり、アレンジを豊かにするダブリング・エフェクトを簡単に作り出します。

ディレイの使用例としてよりポピュラーなのは、70年代から80年代にかけて人気があったダブとレゲエです。これらのディレイのエフェクトは、サウンドが繰り返され、残響がリズミカルにサイケデリアのシンフォニーを作り出すことで、リッチなレイヤーを作るフィードバックを産み出します。

これらのディレイ・エフェクトは、今日の音楽でも未だに響き続け、音楽家に実験的な可能性を与えています。とてもシンプルなアレンジでさえも、創造的なディレイ・テクニックで豊かにすることが出来るのです。

一般的なディレイの使用法

スラップバックやダブリングのようなショート・ディレイの使用法は、特にボーカルやギターの演奏を豊かにするのに便利です。

複数のタップで引き延ばされたディレイは、演奏の中で新しいリズムやレイヤーを作るのに便利です。マルチタップ・ディレイは、ダブやテクノのジャンルでよくある渦巻くようなシンセのラインを作るのに使われます。

詳細は私たちのディレイ・テクニック・ベスト5をご覧下さい。

ディレイのプラグインやペダル

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Reverb

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リバーブとは何か?

リバーブとは残響(reverberation)の略称です。リバーブは日常生活の中にもありますが、私たちが常にそれに気付いているとは限りません。

音が鳴ると、2つの現象が起きます:A)直接音が耳に届く B)発せられた音が何かの表面に反射して耳に届く。これらの音は耳に届くのが少し遅れ、エネルギーも少し落ちます(そのため静かになります)。

リバーブは、同時に発生したエコーの塊であるので、単一のエフェクト=リバーブとして聞こえるのです。

リバーブには、様々な種類があり、空間の種類により異なります。リバーブの空間でよくあるわかりやすい例は、トンネルや大聖堂・ホールや洞窟が挙げられます。

リバーブはどのように作用するか?

もっとも手軽に得られるリバーブは、自然の空間にもあります。

音楽機材(ペダルやプリアンプなど)で、電気式のアナログリバーブは槽の中にエコーや振動を拾う鉄の板やバネを用いて、アナログ回路を通してサウンドを産み出します。

デジタル・リバーブやリバーブ・プラグインは、必要とされるディレイ・音量・周波数特性を計算して、複数のエコーを演算して作ります。リバーブ・プラグインは1秒あたり何千もの計算をこなしますーこれはリバーブがしばしば
CPUにとても負荷を与える理由でもあります。

リバーブでサウンドはどう変わる?

リバーブがエコーに近いというのは、サウンドがある種類の部屋で鳴っているように聞こえるからです。リバーブは、音が周囲で長く鳴るようにサステインを伸ばしますーこれは時としてリバーブのテイルと呼ばれます。それによりサウンドはドリーミーになり、荘厳な質感を与えることさえあります(大聖堂でのクワイアを思い起こしてみてください)。

もしウェットな音像を求め原音を下げていくなら、リバーブによってサウンドをミックスの中でもっと奥深くに位置させましょう。これはよりワイドなミックスを可能にし、サウンドをよりビッグで豊かなものにします。

リバーブの一般的な使い方とは?

リバーブは、楽器やトラック全体のサウンドに、空間・時間やムードを形作る時に使います。

リバーブは、音に豊かさや空間・奥行きを与えます。また、小さなしゃっくりを延ばしたり、サウンドにサステインを加えたりもします。

詳しくは私たちのリバーブTIPS・ベスト5をお読みください。

便利なテクニック:リバーブをクリエイティブに使うには、テイルの長いリバーブをサンプリングして、シンセ・パッドのように使ってみましょう(動画)。

リバーブ・プラグインとリバーブ・ペダル

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http://blog-dev.landr.com/wp-content/uploads/2017/07/Chorus-→-コーラス-.png

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コーラスとは何か

コーラスとは、同じ音を音程をわずかに変えて鳴らしたり、重なり合うようなタイミングをズラして鳴らすことで、単一の音に聞こえるような効果を得られるエフェクトです。

複数のソースが同じような音の重なり合いをすることは、自然に起こります。実際にクワイアが同時に複数のパートを歌うところを思い出してみてください。これらは全て重なり合って、別個のサウンドを形成します。コーラス・エフェクトもこれと同じ事なのです。

コーラスはどうやって動作するか?

電気的なエフェクトのコーラスは、以下のように作用します:エフェクター(ペダルであれ、エフェクト単体機やペダルであれ)は原音を複製し、そのエフェクト音にディレイや(LFOを用いた)ピッチモジュレーションを掛けます。

ステレオ・コーラスも同じ動作をしますが、ディレイをパンニングしたり、LFOの位相を少しズラしたりします。これにより、複製された信号が左右に変調されるのです。このエフェクトは、ステレオの中で動くため、音像を満たしてくれるのです。

コーラスはどのようなサウンドなのか?

コーラスは、動きがあり豊かで厚みのあるサウンドを産み出します。自分のサウンドに倍音を加え、増強してくれます。

コーラスの一般的な使い方

コーラスは、サウンドに複雑さと動きを付けます。また、80年代のクラシックなサウンドでもありますね!

ステレオ・コーラスは、ステレオイメージを広げます。ギタリストは自分のサウンドを「ドリーミー」にしたり、ギターの低音を太くするのに使います・また、シンセサイザーやオルガン・ボーカルにもよく使われるエフェクトです。

使用例:モノフォニック・ベース・シンセの音を太くするのにコーラスを使い、サウンドを「エグく」してみましょう。

コーラスのプラグインとペダル

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Distortion

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ディストーションとは?

ディストーション(歪み)はオーディオ回路に過大入力をして、信号のクリップを引き起こすエフェクトです。時には聞くに耐えない音になるかも知れませんが、上手く使えばクリエイティブなツールとしてとても効果的です。ビット・クラッシャーは、デジタル領域でのローファイなディストーション・エフェクトと同じです。

ディストーションはどのように作用するか?

ディストーションは、原音の信号を持ち上げて、クリップして潰すことで変化させます。これは倍音とカラーを気持ちよくサウンドに加えてくれます。ビット・クラッシャーはサウンドのサンプリングレートやビットデプスといった分解能を下げる作用をします。

ディストーションでどのようなサウンドになるのか?

ディストーションには、何の種類か、また、どの程度かけるのかによって、様々な味に変化します。

例:真空管による歪みは、時にサウンドに暖かみと太い倍音を加えます。トランジスタ回路による歪みは奇数倍音を加えるため、時として荒く耳障りになります。ビット・クラッシャーのサウンドは、ビデオ・ゲームにあるようなザクザクしたサウンドになります。

ディストーション/オーバードライブ/ファズの違いについて、より詳しく知りたい方は、私たちのディストーション・ガイドをご覧下さい。

ディストーションの一般的な使用法

ディストーションはエレキギターでは一般的に使われ、シンセでも使われることが増えてきました。ディストーション・エフェクトは、ペダル・エフェクト/ラックマウント/VSTプラグインなどにあり、アンプやプリアンプに内蔵されていることもあります。

ディストーションはサウンドをより太く豊かにします。また、サウンドに複雑さや胴鳴りを加えます。

ディストーションのプラグインとペダル

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http://blog-dev.landr.com/wp-content/uploads/2017/07/Equalization-→-EQ.png

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EQとは何か?

イコライザー(もしくはEQ)とは、音声に含まれる周波数の中で、特定の周波数もしくは帯域をブーストしたりカットするエフェクトです。

人間には、だいたい20Hzから20kHzまでの周波数の音声が聞こえています。人間が認識できるサウンドは、どれもこの周波数の範囲に分布しているのです。

イコライザー(EQ)は、サウンドのパーツをカットまたはブーストするのに、その周波数をセクション分け(”バンド”もしくは”帯域”と呼びます)します。

EQはどのように作用するか?

EQは彫刻に似ています:サウンドに含まれている周波数を変化させるものです。原音には含まれていない周波数を新たに加えるものではありません。

特定の周波数をカットしたりブーストすることにより、EQは音色やキャラクターを形作ります。また、EQは既に存在する周波数同士のバランスを変えるものでもあります。

EQでどのようなサウンドになるのか?

EQはサウンドのキャラクターを時には微妙に、時には大胆に変化させます。高域をカットすることでサウンドはダークになります。高域をブーストすることで明るい音にします。

EQのサウンドは、どの周波数をどの程度変化させるかによって、大きく変わってきます。

EQの一般的な使用法

良いミックスをする上でEQはキーとなるツールです。EQによって、それぞれのサウンドをミックスの中で適切な位置に置いてあげることで、サウンドの周波数の中で空間をつくることができるのです。

EQが無ければ、それぞれのサウンドがマスキングし合って、あなたのミックスがなまった音になったり、こもった音になるでしょう。

EQは、録音されたサウンドに含まれた不要な要素を取り除く物として使われてきました。また、EQはミックスの中でキーとなるものを強調するための方法でもあります。

「創造 vs 補正:EQのアプローチ」を読んでみて下さい。また、元Majical Cloudzのプロデューサーであり、ソランジュのコラボレーターでもあるマシュー・オットーが、どのようにしてボーカルにEQしているか学んでみましょう。

EQプラグインとペダル

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Compression

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コンプとは何か?

コンプ(訳注:Compression=圧縮)とは、音声信号に含まれる最もラウドな部分と静かな部分の音量差=ダイナミックス・レンジを狭くすることです。コンプがかかると、静かなパートは音量が増幅され、ラウドなパートは音量が下がります。

コンプはどのように作用するか?

コンプは音量を下げるものです(DAWに内蔵されているコンプレッサーのGRとは、Gain Reduction=音量を下げるという意味です)。コンプは信号のダイナミックス・レンジを圧縮します。ダイナミックス・レンジとは、音声信号に含まれる最もラウドな部分と静かな部分の音量の違いです。

コンプは、飛び出して大きい部分の音量を小さくし、ミックスの中で飛び出して聞こえる音を取り去ることさえします。こうすることで、クリップさせること無くトラック全体の音量を上げることが可能です。

コンプの音はどのようなものか?

理想的なコンプは、サウンドにパンチを与えタイトにします。また、コンプは音量を全体的に底上げすることも可能です。

激しくコンプをかけると、サウンドはざくざくしたり、なまった音になったり、ノイジーになったりします。

サイドチェイン・コンプを使うと、ダンス・ミュージックではクラシックな浮き上がるようなサウンドになります。例として、Lady StarlightUntitledを聞いてみましょう。

コンプの良さは、それぞれに独特の持ち味があり、サウンドに異なるカラーを加えます。ですので、自分が使っているコンプの特性をよく知りましょう。

コンプの一般的な使い方

結論として、コンプを正しく使うことで、サウンドをクリップさせること無く、磨き上げてパンチを与えることが出来ます。

また、全体の音量を底上げし、音量のピークをコントロールすることが出来ます。サウンドによっては、ダイナミック・レンジを下げることで、ミックスの時に楽器同士のバランスを簡単にとることができるでしょう。

コンプのパラメーター

コンプのプラグインとコンプのペダル

無料コンプレッサー・プラグインの記事もあわせてご覧下さい。

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トレモロとは何か?

トレモロは、音声の中でアンプ(音量)を変化させるモジュレーション・エフェクトです。”トレモロ”という単語はイタリア語の”震える”なのですが、トレモロはその震えているような効果を与えてくれます:。

トレモロは時としてビブラートと混同されることがありますが、ビブラートは音程を変調させるエフェクトです。多くのフェンダーのギターは、「トレモロアーム」という誤った名前をつけています。これは、技術的には音量では無く音程を変化させるものなので、ビブラートさせるアームなのです。

トレモロはどのように作用するか?

電気的なトレモロ・エフェクトは、LFOを使って様々な速度で音量を上下させることで得られます。これは”Rate”ノブでどの程度速くするのかコントロールでき、”Depth”ノブでその音量変化の量を制御できます。

トレモロの音はどのようなものか?

トレモロのサウンドは湿っぽく鼓動を打つような音です。かすかに震えるようなサウンド(LFOの波形に三角波やサイン波を使っているなら、フェードイン・アウトを繰り返すようなサウンド)や、スイッチのオン・オフを繰り返すようなサウンド(LFOが矩形波の場合)にもなり、それはエフェクトのパラメーターにより変化します。

トレモロの一般的な使い方

トレモロは、サウンドに動きや緊張感・ドラマの要素を加えます。トレモロはサウンドをリズミカルにしたり、パーカッシブやスタッターのようにも変化させます。また、パルス・エフェクトを作り出すのにも使われます。

生楽器の文脈では、トレモロは弦楽器では弓(ギターならピック)を高速に動かす演奏にあたります。

アンプやエフェクター・キーボードにもトレモロのノブを見つけることが出来るでしょう。

トレモロ・プラグインとペダル

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Flanger and Phaser

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フランジャーとフェイザーとは何か?

Fフランジャーとフェイザーは、モジュレーションをベースにしたエフェクトです。これはオリジナルの信号にLFO (Low Frequency Oscillator)で変調を掛ける事を意味します。

フランジャーとフェイザーはどのように作用するか?

フランジャーは、音響的にはフェイザーに似ていますが、機能的にはコーラスに近いです。フランジャーはショート・ディレイ(0.1ms~10ms)を使い、原音に対してLFOをかけます。もしディレイタイムをこれより長くしていくと、コーラス・エフェクトになるでしょう。

フェイザーは、ディレイのかわりにフィルターを使いますが、その概念とサウンドは大まかに言うとフランジャーに近いです。フェイザーのLFOによって周波数の範囲をスウィープさせ、原音とミックスすると、フィルターがノッチを作ります。フェイザーの”Stages”が増えれば、このノッチの数が増え、エグいサウンドになっていきます。

フランジャーもフェイザーも、入力信号に対して、処理後の信号のフィードバックをかける機能があり、エフェクトをより補強したりエグくしたりすることが出来ます。極端なセッティングをすれば、”ハウリング”のノイズのような制御不可能なフィードバックを得ることが出来るでしょう(マーシャルの壁からザトウクジラが歌っている様をご想像下さい)。

フランジャーとフェイザーのサウンドはどのようなものか?

フランジャーとフェイザーは、風が吹いたり渦を巻くような音のエフェクトといえます。これらのエフェクトを高速にかけると時に水っぽい質感を与えることがあります。

フェイザーは一般的にフランジャーより大人しめです。どちらのサウンドも気をつけて使えば、大抵良い(古くさくもない)サウンドになりますが、実験することも重要ですよね!

フランジャーとフェイザーの一般的な使用法とは

フランジャーとフェイザーは、一般的にはギターやシンセサイザーに使われます。そのサウンドは、70年代以降のファンクやロックをはじめとする数多くのレコードで聴くことが出来るでしょう。

ピンクフロイドのデビッド・ギルモアのようなギターの巨匠はフェイザーを好み、そのサウンドは”Shine On You Crazy Diamond“や”Have A Cigar“といった曲で聴くことが出来ます。

フランジャーの良い使用例の一つに、ファンクのクラシックであるThe O’Jays “For The Love Of Money“に出てくる、アンソニー・ジャクソンによるベースラインが挙げられます。

フランジャーのプラグインとペダル

フェイザーのプラグインとペダル

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フィルターとは何か?

フィルターとは、ある特定の周波数(カットオフ周波数と呼ばれます)から上また下の帯域をカットするエフェクトです。しばしばEQにも搭載されていたり、エフェクト単体のプラグイン(Ableton Live内蔵のAuto Filterもそうですね)であったりもします。

フィルターはどのように作用するか?

もっとも一般的なフィルターの種類は、ハイパス・フィルター/ローパス・フィルター/バンドパス・フィルターが挙げられます。これらはフィルターの形や傾斜により定義されます。

ローパス・フィルターは、カットオフ周波数より下の帯域にあるサウンドを残し、その上にある周波数のサウンドをカットします。

ハイパス・フィルターは、カットオフ周波数の上の帯域にあるサウンドを残し、その下の帯域をカットします。

バンドパス・フィルターは、特定の周波数帯域のサウンドだけを残し、その上下にある周波数をカットします。

フィルターの鋭さや荒々しさは、そのスロープ(傾斜)により決まります。スロープがなだらかだと、カットオフ周波数の上下でアッテネートされる量が減ります。6dB/octのカーブは穏やかなのに対し、48dB/octのカーブは明らかに聞き取れる効果があります。

また、多くのフィルターは、カットオフ周波数の近辺の帯域を強調する”レゾナンス”をコントロールする機能を持っています。フィルターの中には極端なセッティングをすると自己発振するものもあり、オシレーターとして演奏する事すら出来るのです。

フィルターのサウンドはどのようなものか?

フィルターは、周波数をカットする量やスロープの鋭さによって、繊細にも大胆にもなります。これらはサウンドに色を付け、ローパス・フィルターならダークになり、ハイパス・フィルターなら明るいキャラクターになります。

フィルターの一般的な使用法

フィルターは、音を補正とクリエイティブな音作りの両方で使われます。ミックスの中で特定の楽器や周波数帯域をそぎ落とすことで、プロデューサーの武器庫の中でもキーとなるツールとなるのです。

例えば、ドラムをレイヤーしている時、フィルターはキックやスネアなどの音色を形作るのに役立つでしょう。

イマドキのプラグインの多くでは、フィルターを形作るのに、他には無いユニークなカーブを作ることが可能です。

これはDJが、盛り上がるビルド・アップやトランジションを作る上で必要不可欠なものでもあります。同様にこうした使い方は制作におけるフィルターのクリエイティブな応用例となるのです。

フィルター・プラグインとペダル

あなたのオーディオ・エフェクトを見せつけましょう

オーディオ・エフェクトは、荒削りなミックスを音楽的な傑作に変えるプロデューサーにとっての武器です。良いエフェクト・チェインは、自分独自のサウンドを作る上でのキーとなるのです。

エフェクトが、どのように作用して、どうやってその実力を引き出すか学ぶことは、今日溢れかえっているプラグインとペダル・エフェクトの海を航海する上でキーとなります。

もし基礎がわかれば、自分の取るべき武器が何か選ぶことが出来て、その力を引き出すことが出来ます。

だから飛び込んであなたのエフェクトを見せつけてあげましょう!

Yoshitaka Koyasu

Koyasは、アーティスト/プロデューサー/レーベルオーナー/DJなど幅広い顔を持ち、Ableton認定トレーナーとして東京のAbletonユーザー・グループAbleton Meetup Tokyの原動力として活躍している。LANDRのコンテンツ・アダプター。

@Yoshitaka Koyasu

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