シンプルなコンプレッションだけでパンチのあるドラムサウンドを得る
ファットでパンチのある音なんて作れないと思ってませんか? それは違います。
「俺のドラムが簡素だった事は認めよう。ドラムパターンこそイカしてたが、サウンドはどれも薄っぺらくてなんだか地味だった。
だからいつも通り、クラップにコンプレッサーをかけてみた。
音は大きくはなったものの、まだ死んだような音だった。ダイナミクスなんてどっかいっちまってたよ・・・」
こんな経験はありませんか? でも安心して下さい。DAW ソフトウェアを使って、しっかり存在感のあるドラムサウンドや、ボーカル、シンセ、その他のパートを作るのは難しくありません。
下記のステップを試す事で、大事なダイナミクスをキープしながらパンチのあるテイストを得る事ができます。
パラレルにする事
ミックスを知っている人ならコンプレッサーがどんなものかわかっていると思いますが、その使い方はさまざまです。
特定のトラックでファットなサウンドを得たい場合、パラレルコンプレッションという方法が有効です。
このテクニックは、存在感のある際立った音を得るためにどのようなトラックでも使用できます。ここでは、シンプルなドラムループを使ってみます:
私は DAW ソフトウェアの Bitwig Studio を使っていますが、同じコンセプトは他のDAWにも当てはまります。
ステップ1:トラックを複製する
これは単純です。音を太くしたいトラックをコピーして複製します。同じドラムループが2つの異なるトラック上に存在しているのがわかると思います。
ステップ2:複製したトラックにコンプレッサーをかける
複製したトラックにコンプレッサーを適用します。お好みのコンプレッサーを使用して構いません。
ステップ3:アタックとリリースを調整する
パンチ感を出すには、比較的スローなアタックタイムと、素早いリリースタイムが必要です。欲しい効果が得られるまで、アタックとリリースをじっくり調整してみてください。
この例では、複製したトラックを極端にいじっていますので、パラレルコンプレッション効果がよくわかるでしょう。
アタックとリリースを調整した最終ミックス用の複製ドラムトラックがこれです:
ステップ4:オリジナルトラックと複製トラックを混ぜる
ではいよいよ、オリジナルトラックと複製トラックを混ぜてみましょう。ダイナミクスを維持するには、複製トラック側の音はあまり大きくしないのがコツです。
私は普段、複製トラックの音量はオリジナルトラックより小さめにします。どの位小さくするべきかはお任せしますが、小さければ小さい程、繊細なエフェクト効果になります。
混ぜた後のサウンドはこうなります:
元々のサウンドと比較して、このパラレルコンプレッショントラックとオリジナルサウンドと一体となって、「イイ感じ」にパンチが効いているのがわかると思います。
常に全体のミックスを意識する事
このようにして得られたドラムサウンドは、全体のミックスにもきちんと馴染んでいるべきです。パラレルコンプレッショントラックだけでなく、それ以外のトラックのサウンドとうまく共存しているかどうか、注意してください。
独立して目立つのではなく、他のサウンドも尊重すべきだと言う事です。
このパラレルコンプレッションテクニックを使って、最高のパンチの効いた存在感を是非手に入れてください。
LANDRブログの投稿を見逃すことはありません