世界のトップマスタリングスタジオ13選
最高の中でも最高のマスタリング
LPレコードの発明から、形のないmp3の黎明期まで、音楽を聴くフォーマットは常に変化してきています。オーディオマスタリングは時間とともに変化しました。その結果、マスタリングエンジニアの役割も大幅に進化しました。ただのテクニカルスペシャリストから、はるかに幅広く影響力のある役割への進化、優れたサウンドそのもの、もしくはゲートキーパー的存在に変化してきました。
マスタリングスタジオの驚くべき点は、今まで起きてきたすべての音楽業界の変化の中で、最高のスタジオと最高のエンジニアが長続きする音楽の傾向を維持し、多くの点でラウドネス戦争などの音楽的に確立された理想に挑戦したことです。
信じられなないことですが、過去70年間の世界最大のヒット曲の約90%は、10〜15社のスタジオに関連があるります。
今回の記事は、これらのマスタリング達人へ敬意を表したものであり、世界中で愛されたレコードを磨いてきたなじみのないスタジオを紹介していきます。
1.Sterling Sound(スターリング・サウンド)
1960年代後半にニューヨークで設立されたスターリング・サウンドは、ボブ・ディランからビヨンセまで、あらゆる人々の音楽に手がけてきました。スターリングは、今日の最も影響力のあるマスタリングスタジオの1つであり、60年以降のアメリカの音楽チャートの30%にスターリングが手がけたマスタートラックが含まれている可能性があります。
彼らのエンジニアのリストには、テッドジェンセン、グレッグ・カルビ、トム・コイン、故ジョージ・マリノなど、業界で最も有名な人物が名を連ねます。 マスタリングの「ロックスター」ボブ・ルートヴィヒは、しばらくは社長でさえありました。
「マスタリングされたバージョンは、音量が大きくなるだけでなく、音が良くなりますか?音楽は平均的なリスナーにもっと多くの影響を与えますか?プロデューサー、エンジニア、アーティストがレコーディングで捉えようとしていたことをよりよく伝えていますか?」
– スターリングサウンド社長、Murat Aktarの「マスタリングの芸術」より
2. The Exchange(ザ・エクスチェンジ)
創業から26年、The Exchangeはロンドン随一のマスタリングスタジオの1つです。彼らの組み合わされたディスコグラフィーは、King Tubbyからグレース・ジョーンズ、Bjork、Daft Punkまで、すべてに対応した非常に進歩的なものです。
彼らは、マイク・マーシュや故ナイル・シュパテルのようなエンジニアの仕事を通じて、エレクトロニックやダンスミュージックの世界で名を馳せてきました。レコード用マスタリングを専門としていますが、大手レーベルからニッチなアンダーグラウンドのレーベルの両方まで、最高な音を求めているため、これまでと同じように必要とされています。
3. Gateway Mastering(ゲートウェイ・マスタリング)
スターリングサウンドおよびMasterdiskの前副社長であるボブ・ルートヴィヒによってメイン州ポートランドで1992年に設立されました。ボブはニューヨークの大学をとちゅうで辞め、自分で道を切り開きました。ボブ自身がロックンロールのサウンドであり、ゲートウェイ社は彼の遺産の継続です。
彼の手掛けてきた作品を知らない方は有名どころのクレジット欄をご覧ください。名を上げるだけだと、Led Zeppelin、Rush、Jimi Hendrix、The Police、Paul McCartney、Eric Clapton、Rolling Stones、Def Leppard、Nirvana、The Who、Bruce Springsteen、Dire Straits and Daft Punkなど伝説的なアーティストの数々の作品を手がけてきました。
「自宅やガレージで非常に多くの録音が行われているため、マスタリングの必要性はこれまで以上に高まっていますが、予算不足のため、マスタリングを必死に必要とする多くの人々はマスタリングをする余裕がありません。」
– ボブの会話の一コマ:Positive Feedback issue 58より。
4. Abbey Road Studio(アビーロード・スタジオ)
1931年、ロンドンのイギリスにて設立。アビーロードはビートルズのサウンドに生命を吹き込んだことで有名で、おそらく世界で最も有名なスタジオでしょう。スタジオは単なる観光地ではなく、レコーディングとマスタリングの施設として多忙な日々を続けています。当然のことながら、アビーロードは、Joy Division、New Order、Radiohead、そしてThe Wireなどのマスタリングを手がけ、イギリス音楽の繁栄に多くに関与してきました。
それは、アビーロードの伝説的な音響、最先端の設備、エンジニア、そしてもちろん、それらを高い評価に保つ歴史の伝承の組み合わせからきています。
彼らはまた、アビーロード交差点のこの素晴らしいライブフィードを提供しています。
5. Bernie Grundman Mastering
1984年、カリフォルニア州ハリウッドにて設立。スレイヤーからスリラーまで、世界の95%は彼の名前も彼のスタジオも聞いたことがありません。ただし、ほとんどの人がバーニーまたは彼のクルーの一人の悪名高いBrian ‘Big Bass’ Gardnerrがマスタリングした曲を聞いたことがあると思います。
グルンドマンのディスコグラフィーは素晴らしく、37を超えるグラミー賞にノミネートされています。彼はすべてのスタジオコンソールの設計と変更のスペシャリストとして最もよく知られており、詳細指向の職人として有名です。豆知識:Janelle Monaeが2013年のヒット曲「Q.U.E.E.N」の中でバーニーに「よろしく」と一声かけています。
6. Georgetown Masters(ジョージタウン・マスターズ)
Denny Purcell(1950-2002)によってテネシー州ナッシュビルで1985年に設立されました。デニーは、地元のレコード店のカントリーミュージックセクション全体をマスタリングする責任があります。ジョージタウン・マスターズは彼の遺産です。現在、彼の弟子であるアンドリュー・メンデルソンが運営しており、顧客リストには、Chet Atkins、Mark Knopfler、Garth Brooks、Mary Chapin Carpenter、Vince Gill、Donna Summer、Neil Youngが含まれます。
ジョージタウンのスタジオは、伝統的なゴールドレコードではなく、ギターやアンプが並ぶことで有名です。デニーの性格は、マスタリングへのアプローチと同じくらい有名です。
これを書かいている途中で、ウィリーの声が聞こえます。
7. Masterdisk(マスターディスク)
ニューヨーク市のもう1つの有名どころのスタジオのMasterdiskは、マーキュリーレコードのプロダクション部門のスピンオフとして1973年に作成されました。 それ以来、会社は何度もいろんな人の手に渡り、いくつかの大規模なレコードのマスタリングを監督してきました。 U2からKanyeまで、このスタジオはかなり前からマスタリングにおいてのキープレーヤーでした。
スコット・ハルは、前副社長のボブ・ルートヴィヒを10年以上支援した経験を持つ現ディレクターです。 グレッグ・カルビとハウィー・ウェインバーグもMasterdiskの卒業生です。
8. Dubplates & Mastering(ダブプレート&マスタリング)
ドイツのテクノシーンで最も影響力のあるグループ(Moritz Von OswaldとMark ErnestusのBasic Channel、そして由緒あるレコードストアHardwaxの本拠地)のマスタリング部門です。もちろん、エレクトロニックのシーンには他にも素晴らしいマスタリングスタジオがありますが、ダブプレートは、ベルリンにあることや、コアアーティストのカルトステータスのために、常に魔法のオーラを持っています。
9. Dave Collins and A&M Mastering(デイブ・コリンズ&A&Mマスタリング)
デイブ・コリンズは、ダイナミクスとラウドネスの仕事で広く知られています。彼の名前をフォーラムですばやく検索すると、彼の権威ある影響力の証拠を見つけることができます。The PoliceまたはWeezerをマスタリングするかどうかにかかわらず、デイブはコンプレッションでトラックを潰さずにまともなボリュームを得ることができ、彼はその分野においての有名人です。
その後、自身のスタジオであるDave Collins Masteringに分岐しましたが、ハリウッドのA&Mスタジオ(RIP)で彼は多くのヒット曲をマスタリングしてきました。
10. The Mastering Lab
1967年、カリフォルニア州ハリウッドでダグ・サックスによって設立されました。妥協のない理想主義者であり、常に業界の技術に疑問を呈し、業界標準(16 / 44.1など)に疑問定義をし、全てにおいて最高を持てめてきました。
有名なことに、彼らのマスタリングラボのほとんどのギアは、最適なシグナルの明瞭さのためにダグの兄弟によってカスタムビルドされました。デジタル化が加速するにつれて、彼のレーベルSheffield Audioに影響を与え始めた頃、これらの(上)Tシャツを制作しました。ピンクフロイド、The Doors、Zappaのマスタリングを手がけたことで有名です。
11. Howie Weinberg Mastering
ハウィーは1977年にMasterdiskでマスタリングを開始し、それ以来、Sonic Youth、RHCPのBlood Sugar Sex Magic、Smashing Pumpkins、RUN DMC、ニルヴァーナの「Nevermind」など、無数の象徴的なアーティストやレコードのマスタリングを手がけています。 1990年代のサウンドの王者であり、ラウドネス戦争の扇動者の1人である彼は、間違いなく、最も影響力のあるエンジニアの1人です。
2011年、彼は西海岸に引っ越し、ローレルキャニオンに自分のスタジオを設立しました。未来に目を向けると、ハウィーは(彼の似顔絵付きの)マスタリングアプリさえ持っています!
12. Salt Mastering(ソルト・マスタリング)
ソルト・マスタリングはのブルックスのグリーンポイントに設立された比較的新しい(今回紹介されたリストの一部と比較して)スタジオですが、2000年代の最も多くのインディーズアーティストのマスタリングを手がけてきました。名前を上げるとしたら、Secretly Canadian、Sounds Familyre、Fat Cat、Domino Records、Warp Records、Drag Cityなどのレーベルや、Gang Gang Dance、LCDサウンドシステム、Dirty Projectors、Besnard Lakesなどのバンドを手がけました。
13. Metropolis
1993年に設立されたメトロポリスは、主な商業的ヒットやインディーズプロダクションをマスタリングし、急速に音楽シーンの定番になりました。メトロポリスには、エイミー・ワインハウス、U2、アデル、Bjork、The Killers、レッドツェッペリン、マドンナ、ビートルズなど、幅広いクレジットがあります。
メトロポリスには、イアン・クーパー(Hounds of Love, Heroes, Lust For Life)、ジョン・デイビス、スチュアート・ホークスなど、世界的に有名なマスタリングエンジニアが名を連ねています。重要なことに、現在のポップミュージック界では、これらの人たちは頂点にいると考えられています。
名誉ある言及:
Precise Mastering(プレサイズ・マスタリング)、ボブ・カッツ、Trutone Mastering(トルトーン・マスタリング)、Lacquer Channel(ラッカー・チャネル)、Golden Mastering(ゴールデン・マスタリング)、Randy’s Roost(ランディーズ・ルースト)、パラマウントスタジオ、クラシックサウンド、モータウン・スタジオ、The Record Plant and local heros(レコードプラントアンドローカルヒーロー)、Grey Market Mastering(グレー・マーケット・マスタリング)
これは、氷山の一角のマスタリングにすぎません。これからの数か月で、世界中の個々のエンジニアやスタジオをブログに取り上げて、さらに深く掘り下げていきます。
投稿者ロリー・シーデル:MixGeniusの音楽編集者でありバンド「Noni Wo」のミュージシャン
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