音楽におけるサンプリング：完全ガイド
音楽のサンプリングは、楽しく、便利で、刺激的です。
ラジオで聴くほとんどすべてのジャンルの音楽でサンプル音源が使用されています。
サンプル音源を使って音楽を作ることは、すべてのプロデューサーがマスターすべき重要なスキルです。
最新のサンプラープラグイン、DAWソフトウェア、そして最近そのクオリティーが更に良くなってきているロイヤルティフリーのサンプル音源により、トラックにサンプル音源を使うことが今まで以上に簡単になってきました。
しかし、どこから始めたら迷ってませんか？
サンプル音源をどこでダウンロードし、法的な問題なしにサンプルをどのように使用するかを知るのは大変です。
- 合法的に何をサンプリングできますか？
- サンプル音素材を提供しているサイトやサービス
- サンプルを実際に使う方法
- DAWでサンプリングする方法
サンプリングとは？
サンプリングは、アーティストが既存のオーディオ作品の一部を抜き取り、それを新しい作品に再利用する音楽制作のテクニックです。 通常アーティストは、Akai MPC、サンプラープラグイン、またはDAWなどのハードウェアサンプラーを使用してサンプルを作成します。 通常、サンプル音源はループされ編集が加えられたり、そして時には原型がわからなくなるほど編集されます。
サンプリングは80年代と90年代のヒップホップとダンスミュージックから始まりました。 しかし今日では、ラップ、R＆B、ロック、カントリー、さらには現代のクラシック音楽に至るまで、あらゆる場面でサンプルが使われるようになっています。
一部の批評家はサンプリングの正当性に疑問を投げかけていますが、グラミー賞は最近、サンプル音源付きの曲をその年のソング・オブ・ザ・イヤーの対象とすることを許可しました。事実、多くのプロデューサーがこのテクニックを使用しているため、サンプリングを使わない音楽のジャンルを見つけるのは難しいでしょう 。
過去のスターアーティストに敬意を払っているか、または全く新しいタイプの作品を作成したいかに関係なく、サンプリングは誰もが持っているべきテクニックです。
合法的に何をサンプリングできますか？
サンプル音源の使い方について説明する前に、合法的な音楽のサンプリングについて説明します。
サンプル・クリアランスを取得することが非常に重要になります。つまりサンプル音源の使用権利の手続きですね。
サンプル音源や音素材の使用を合法的に手続きしないと、SpotifyやApple Musicなどのストリーミングプラットフォームでトラックをデジタル配信できなくなります。
作品でしっかり手続きを済ましていないサンプルを使用した場合、法的措置に直面する可能性さえあります。
また、サンプル音源の使用手続きが完了しても、ロイヤリティ（利用料）収益の一定の割合を授与する必要があります。
幸いなことに、作品で使用できるロイヤルティフリーのサンプルを備えた厳選されたライブラリがたくさん存在します。
フィクションから事実を区別する
サンプリングに関する誤解はたくさんあります。
サンプリングを行うために知っておく必要がある著作権関連の事実を以下に示します。
クリエイティブコモンズとは何ですか？
クリエイティブ・コモンズは、コンテンツ作成者がさまざまなライセンスを通じて作品を使用および配布するためのアクセスレベルを提供できるようにする組織です。
クリエイティブ・コモンズにはいくつかの異なるライセンスがあり、それぞれがコンテンツの使用方法、変更できる範囲、リミックスの度合いに対した数々のアクセスを提供します。
法律を遵守するには、使用している作品に適用されているクリエイティブコモンズライセンスに注意する必要があります。
だれでも特定の作品を使用、変更、および配布できるクリエイティブコモンズライセンスがいくつかあります。
サンプルの著作権と利用手続きの仕組み：音源を借りるビジネス
サンプル音源をダウンロードできるサイト
著作権法は少し考えないとして、サンプルをどんなサイトやサービスでダウンロードできるかを紹介していきます。
無料サンプルパックとサイト
クリエイティブ・コモンズに当てはまる無料のサウンドを見つけられるウェブサイトはたくさんあります。
また、無料サンプルパック内で気に入ったサンプルを見つけることもできます。
以下に、興味を引くサンプルパックをいくつか紹介します。
厳選されたロイヤリティフリーのサンプルライブラリを使用する
無料で著作権手続き完了済みサンプルは手間がかからず非常に素晴らしいです。何千ものサンプル音源素材を数時間をかけて聴き比べるのは、そこまで効率的でもなく有用でもありません。
例えば、誰もキックドラムのサンプル音源を３００曲も数時間かけて聴きたくないですよね。さらにもう一つは、事実として無料サンプルが常に最高とは限らないということです。
サンプルを使用するのは、トラックを作成するために必要な音を実際に見つけることができる場合にのみ楽しく感じます。
幸い、非常に低コストで素晴らしいサンプルを入手するための素晴らしいオプションがいくつかあります。
厳選されたサンプルライブラリは、クオリティーがある程度保証されたサンプルのパックの集まりであるため、優れたサンプルを見つけるための最良の方法です。
LANDRサンプル
LANDRサンプルは、何百万もの厳選されたサンプル音源がダウンロードできるサンプル音源サービスです。
気に入ったサンプルが見つかったら、セレクターオプションを押してください。そうすることによりLANDRは選択されたサンプルに最適な他のサンプル音源をAIキュレーションによりおすすめいたします。
セレクターを使用すると、LANDRの豊富なサンプルライブラリからサンプルをすばやく見つけあなたの作品に最適なサンプルを紹介できます。
LANDRには、
アーティストが選曲したサンプルパックもあり、サンプルを使って曲を簡単に始める/a>ことができます。
あなた自身とあなたの周りをサンプリングしてみる
独自にサンプリングするのは、ライブラリやサンプルパックのサンプル使うのと同じくらい楽しいです。
フィールドレコーダーを手に取り、自然散策から周囲の自然音をサンプルリングしてみるのも面白いです！
または、自分の楽器を演奏して、セッション全体を録音し、最も魅力的な音をサンプリングするのも良いです。
個人用レンディションを作成することで誰でも作業を変更できるので、セルフサンプリングはクリアランス問題を回避するための良い方法です。
今日最もクールなインストゥルメンタルヒップホップのいくつかは、セルフサンプリングされた作品から来ています。
コード進行は著作権で保護されていないので、サンプルのクールなコード進行で自分を刺激してください！
フィールドレコーディング：フィールドレコーディングで収録した音を実際に音楽制作で活用する１０の方法
すべてのプロデューサーが知っておくべき感情的なコード進行１０選/a>
トラックでサンプルを使用する方法
ロヤリティフリーのサンプルライブラリにアクセスできると、興味深いテクスチャや音色を試す創造的な機会が増えます。
インストゥルメンタルトラックの場合、細かく切り刻んだボーカルテイクの音素材なんかがしっくりきます。
ドラムトラックが細く聴こえてしまっている場合は、サンプル素材を変えるだけでドラムループが太くなります。
完璧なキックサンプルを見つけることは、トラックを躍動させられるかどうかの鍵になります。
場合によっては、トラックに奥行きのあるレイヤーを追加するために、バックグラウンドに流れるアンビエントSFXサンプルが必要になることもあるでしょう。
アレンジメントを聴いて、トラックに欠けているものを聴いてみてください。できるだけクリエイティブに自分に挑戦してみてください！
そして、他の作品と似たような音になることを避けるのには、自分の作品にかけている音をしっかり聞き分けて、適切にサンプル音素材をブレンドすると良いでしょう。
調号に従う
常にサンプルのキーと作業中のトラックのキーを一致させるようにしてください。
サンプルライブラリ内の素材は簡単に検索できるよう、サンプルの名前にキーをタグ付けすることがよくあります。また、役立つヘルプ検索ツールもあります。
耳のトレーニングを少し練習すると、サンプルのトランスポーズする方法を知るのに役立ちます。
ミックスに注意を払う
トラックに必要なサンプルが見つかり、アレンジメントにどのように合うかを理解したとします。
次は、サンプルをミックスにうまく合わせるようにするステップでです。
ミックスプロセスを簡単にするために、サンプルが適切に準備されていることを確認してください。
もしこの工程で行き詰まっている場合は、ミックス内の何かがしっくり来ていない場合に役立ついくつかのサンプルを上手に扱うテクニックがあります。
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完璧なキック・サンプルを選ぶ方法
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DAWでサンプリングする方法
自分好みのサンプルが見つかり、合法的に使用する権利があることを100％確信できたとして、次のステップは遂にDAWの登場です。
DAWでサンプルを作成する方法について疑問に思うかもしれません。
一般に、サンプリングワークフローは通常、どのDAWをとっても同じです。
多くの場合、音素材の必要な部分をトラックのタイムラインにドラッグアンドドロップするのと同じくらい簡単です。
ちょこっと切り刻むだけで、トラックに合うサンプルを作ることが簡単にできます。
ほとんどのDAWには、サンプリングツールが付属されていますが、DAWに付属しているものが気に入らない場合は、素晴らしいサンプラーVSTプラグインも多く存在するので試してみるのも良いと思います。
DAWでサンプリングするに当たり最も難しいのは、サンプルのキーとテンポがトラックのものに一致し、うまくフィットすることを確認することです。 これが上手になるには時間と練習がかかるので、練習して上手くなりましょう。
はじめに、人気のあるDAWでサンプリングを始めるためのアドバイスをいくつか紹介します。
Abletonでサンプリングする方法
Abletonのワークフロー全体はサンプリングに基づいて作られています。 Abletonで使用するオーディオクリップはすべて、ワープ機能を備えたサンプルのように扱うことができます。
Abletonでは、ワープマーカーを使ってトラックのタイミングを調整できます。ワープマーカーをクリックすると、トラックをクリックしてスライスできます。
ワープマーカーを設定したら、タグを付けたトラックを右クリックして、トラックを新しいMIDIトラックにスライスするだけです。
Ableton専用サンプラープラグインを使用してサンプリングを行うこともできます。
Simplerは、Liveの最も簡単なサンプリングツールです。 一度に読み込めるサンプルは1つだけですが、サンプルをスライスして再生するための非常にクリエイティブなツールです。
Simplerとは打って変わってSamplerは、Abletonのフル機能サンプラープラグインです。 Simplerは、基本的なサンプリングタスクから現実的な音響機器のシミュレーションまで、あらゆる用途に適しています
どんな用途であれ、Ableton Liveには、サンプル素材を統合するためのパワフルなワークフローが提供されています。
https://www.youtube.com/watch?v=SbqNpGgjUlk
FL Studioでサンプリングする方法
FL Studioでサンプリングするには、まずサンプリングする曲をトラックに直接ドロップします。
サンプリングしたい曲のセクションを見つけ、最初の空のFXスロットの下にあるEdisonツールを開きます。
録音ボタンを押して、サンプルを大まかにEdisonに録音します。 サンプルを録音したら、クリップを編集してトリミングして、必要なサンプルを作成できます。
ドラッグアイコンをクリックして、サンプルを曲の必要な場所にドラッグするだけです。
サンプルをドロップできる互換性のある場所には、各トラックのチャネル、Fruity Slicer、DirectWave、またはプレイリストが含まれます。
サンプルをトラックにドロップした後、トラックに応じて、サンプル素材のEQ、速度、ピッチを調整することもできます。
Logicでサンプリングする方法
Logicでサンプリングをする最も一般的な方法は、サンプルを切り刻んでDAWタイムライン上で直接使うことです。
しかし、サンプルをMIDIコントローラーまたはキーボードにマップする場合は、サンプルをAlchemyまたはEXS 24にインポートすることで、より細かいコントロールが可能になります。
サンプリングするトラックを右クリックし、[トランジェントマーカーでスライス]を選択すると、Logicが自動的にトラックをカットします。
再生したい切り刻まれたサンプル素材をハイライトし、[新しいオーディオファイルに変換]を選択して、サンプルを新しいオーディオファイルに保存します。
オーディオファイルを作成したら、Alchemyを開き、詳細タブ（advanced tab）を選択し、ソースAをクリックして、オーディオのインポートを選択します。
サンプルの一つをMIDIキーボードで音程を上下して再生する場合は、フォルダーから目的のサンプルを選択し、マッピングを「Pitch」（音程）に設定してインポートをクリックします。
MIDIコントローラーにマッピングされたサンプルをグループ再生したい場合は、必要なサンプルを選択し、マッピングを「ドラム」に設定してインポートします。
または、スライスしたトラックを右クリックし、[新しいサンプラーに変換]を選択して、EXS24に直接インポートすることもできます。
Cubase Elementsでサンプリングする方法
Cubaseでのサンプリングは、サンプラコントロールトラック内で行うのが最適です。
サンプラーコントロールのトラックには、Kaleidoscope（カレイドスコープ）と呼ばれる独自のサンプルライブラリが付属していますが、自分のハードドライブにあるオーディオファイルを使うこともできます。
サンプルライブラリからサンプラーコントロールトラックにサンプルをドラッグアンドドロップするだけで、Cubaseが自動的にサンプルをMIDIキーボードにマッピングします。
サンプラーコントロールトラックには、エフェクトを追加したり、使用するサンプルを変更したりするための多くのオプションがあります。
世界の最新DAWベスト12
The 10 Best Sampler VSTs for Music Producers
刺激を受け、影響を受け、新しいサンプリングの世界へ
サンプリングは、今日の音楽制作の最もエキサイティングな部分の1つです。 そして、サンプリングをもっと知ることにより、音楽の聴き方が変わり、音楽の好みを広げることができます。
宝石の原石を見つけ、それを自分で自分好みの特別な新しいものにすることを好まないアーティスはいないと思います。
素晴らしいサンプルをどこでダウンロードして、DAW上でそのサンプル素材の使い方がわかってきたところで、どんどん練習を積んで、自信と技術を積み上げていきましょう。
さあ、色々挑戦して、合法的にやってみよう！